
令和7年3月14日付で、出入国在留管理庁のホームページに出入国管理に関する各種統計資料が発表されています。
出入国在留管理庁のホームページ
令和7年のプレスリリース | 出入国在留管理庁
その中でも今回は、福岡県内の在留外国人数について着目してみました。
なお、日本全国の在留外国人数については、こちらで記事にしております。
令和6年(2024年)末における在留外国人数(観光旅行者などを除く。)についての統計資料を見てみました。【全国】 | 福岡の行政書士(元国際捜査官)のブログ
出入国在留管理庁の公表資料
今回の記事を書くにあたって、引用させていただいた資料は次のとおりです。
出入国在留管理庁ホームページ
【令和5年末】公表資料 001415139.pdf
【令和6年末】公表資料 001434755.pdf
令和5年末と令和6年末の公表資料の
・【第4表】都道府県別 在留外国人数の推移
・【第5表】都道府県別 国籍・地域別 在留外国人数
・【第6表】都道府県別 在留資格別 在留外国人数
を中心に見ていきます。
福岡県内の在留外国人数の推移
福岡県内の在留外国人数の推移を次の表にしました。
【福岡県】 | 令和元年末 (2019年末) | 令和2年末 (2020年末) | 令和3年末 (2021年末) | 令和4年末 (2022年末) | 令和5年末 (2023年末) | 令和6年末 (2024年末) |
在留外国人数 | 83,468 | 81,072 | 76,234 | 89,518 | 99,695 | 113,159 |
対前年末比増減 | +6,424 | -2,396 | -4,838 | +13,284 | +10,177 | +13,464 |
コロナ禍による出入国制限が終わった頃の令和3年末からの在留外国人数は、毎年約1万人以上増加している傾向であることが分かります。
なお、令和6年末現在の福岡県内の在留外国人数11万3,159人は、日本全国の総人数376万8,977人の約3パーセントです。
ここで、福岡県内の在留外国人数は、全国で何番目に多いか見ていきましょう。
福岡県は全国で何番目に在留外国人数が多いのか?
都道府県別の在留外国人数について、多いところから順に並べると以下のとおりになります。
細かな数字は省略しております。
1.東京都 約74万人(全体の約20%)
2.大阪府 約33万人( 〃 約9%)
3.愛知県 約33万人( 〃 約9%)
4.神奈川県 約29万人( 〃 約8%)
5.埼玉県 約26万人( 〃 約7%)
6.千葉県 約23万人( 〃 約6%)
7.兵庫県 約14万人( 〃 約4%)
8.静岡県 約12万人( 〃 約3%)
9.福岡県 約11万人( 〃 約3%)
福岡県は全国で9番目に在留外国人数が多いです。
なお、福岡県の次は、茨城県(約10万人)、京都府(約8万人)、群馬県(約8万人)・・・となっています。
<補足>在留外国人数の定義
ここで、「在留外国人数」という用語について、少し解説します。
在留外国人数は、中長期在留者数と特別永住者数を合わせたものです。
「中長期在留者」とは、簡単に言うと3か月を超えて日本に滞在できる在留資格を持つ人たちです。
例を挙げると、留学生(一般的に在留資格「留学」)や技能実習生(在留資格「技能実習」)、会社員(在留資格「技術・人文知識・国際業務」など)、会社経営者(在留資格「経営・管理」)の人などが一般的に中長期在留者に当たります。
通称「観光ビザ」などと呼ばれる観光や親族訪問などの際に取得する在留資格「短期滞在」は、ここでいう「中長期在留者」には当たりません。
「特別永住者」とは、簡単に言うと先の戦争時に日本に住んでいた外国人やその家族で日本に永住している人です。
福岡県内の中長期在留者数と特別永住者数
令和6年末(2024年末)における福岡県内の中長期在留者数と特別永住者数は、以下のとおりです。
中長期在留者数 102,993人
特別永住者数 10,166人
なお、在留外国人数は中長期在留者数と特別永住者数の合計ですので、その人数は11,3159人となります。
1年前の令和5年末(2023年末)における福岡県内の中長期在留者数と特別永住者数は、それぞれ89,271人、10,424人(合計99,695人)でしたので、在留外国人数の増加は中長期在留者数の増加であることがわかります。
福岡県内の国籍・地域別 在留外国人数
令和6年末(2024年末)における福岡県内の国籍・地域別 在留外国人数について見ていきます。
今年から入管の公表資料にこの「都道府県別 国籍・地域別 在留外国人数」の表が追加されています。
【福岡県】 総数 113,159人
1.ベトナム 23,117人(全国2位)
2.中国 21,840人( 〃1位)
3.ネパール 18,753人( 〃5位)
4.韓国 14,507人( 〃3位)
5.フィリピン 7,204人( 〃4位)
6.インドネシア 6,670人( 〃7位)
7.ミャンマー 4,961人( 〃8位)
8.米国 1,778人( 〃10位)
9.スリランカ 1,679人( 〃12位)
10.台湾 1,423人( 〃9位)
11.カンボジア 939人( 〃17位)
12.朝鮮 940人( 〃18位)
13.タイ 896人( 〃11位)
14.インド 669人( 〃13位)
15.英国 632人( 〃20位)
16.バングラデシュ 566人( 〃15位)
17.パキスタン 553人( 〃16位)
18.ブラジル 402人( 〃6位)
19.モンゴル 323人( 〃19位)
20.ペルー 231人( 〃14位)
その他 5,076人
ネパール国籍の在留者数は、福岡県内では3番目に多いですが、全国では5番目の多さであり、順位が大きく入れ替わっているのは、興味深いところです。
なお、上記は福岡県内の在留外国人数についてですが、福岡市内の在留外国人数は以下のようになります。
福岡市内の在留外国人数
福岡市ホームページ
福岡市 ふくおかの統計 令和7年3月号
国籍・地域別外国人数(令和7年2月末現在)
202503hp01.pdf
上記の「国籍・地域別外国人数」の表を見てみると、
【福岡市】 総数 52,025人
1.中国 13,380人(県内2位)
2.ネパール 11,969人( 〃3位)
3.ベトナム 7,516人( 〃1位)
4.韓国・朝鮮 6,578人
5.ミャンマー 1,701人( 〃7位)
6.フィリピン 1,662人( 〃5位)
7.インドネシア 1,608人( 〃6位)
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となります。
福岡県内の在留者数の順位と入れ替わっているところがあります。
福岡県内の中でも、福岡市内は学校数・オフィスが多いことから在留資格「留学」や「技術・人文知識・国際業務」などを持つ在留者が多く、福岡市外は工場などが多いことから在留資格「技能実習」などを持つ在留者が多い傾向にあるため、県内と市内での在留者数の順位に違いがあると考えられます。
なお、令和6年12月末の福岡市内の総数は51,728人ですので、福岡県内の総数113,159人(令和6年末現在)から計算すると、福岡県内に在留する外国人の約46%(4割以上)が福岡市内に在留していることが分かります。
福岡県の在留資格別 在留外国人数(令和6年末現在)
どの在留資格を持つ人がどのくらいいるのかを下表に抜き出しました。
また1年間で何人増減したのかを示しました。
永住者 | 技能 実習 | 技人国 | 留学 | 家族 滞在 | 特定 技能 | 定住者 | 日配等 | 特定 活動 | その他 | 特別 永住者 |
16,887 | 17,858 | 10,547 | 23,948 | 9,222 | 10,159 | 2,156 | 4,285 | 2,103 | 5,828 | 10,166 |
+517 | +2,413 | +1,489 | +4,027 | +1,236 | +2,487 | +251 | +242 | +347 | +713 | -258 |
在留資格「技能実習」「技術・人文知識・国際業務」「留学」「家族滞在」「特定技能」を持つ在留者が大きく増加していることが分かります。
在留資格「技能実習」は、最長でも5年間までの在留資格ですが、増加していることから技能実習を終えた人数よりも新規に入国する人が多いことがわかります。
また、在留資格「技能実習」⇒「特定技能」や「留学」⇒「技術・人文知識・国際業務」or「特定技能」or「特定活動」などへの在留資格変更があること、「特定技能」での新規入国者がいること、「留学」(条件あり)や「技術・人文知識・国際業務」などの増加とともに、その家族である「家族滞在」が増加することなどにより、今後ますます在留者数が増加するのは間違いないと思われます。
おわりに
福岡県内の在留外国人数について、少し考察を加えながら見ていきました。
全国の在留外国人数については、別の記事にしておりますので、よろしければご参照ください。
令和6年(2024年)末における在留外国人数(観光旅行者などを除く。)についての統計資料を見てみました。【全国】 | 福岡の行政書士(元国際捜査官)のブログ
本記事が少しでもお役に立つ情報になれば幸いです。
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